劇団イキウメ「太陽」の感想
6月に公演予定だった「外の道」が中止になってしまったことで、今実験的に外の道にまつわるものを集めたサイト(https://sotonomichi.jp/)が作られており、そちらで無料公開されていた2016年公開の「太陽」という演目の感想です。
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二十一世紀初頭、世界的なバイオテロで拡散したウイルスにより人口は激減し、政治経済は混乱、社会基盤が破壊された。
数年後、感染者の中で奇跡的に回復した人々が存在することが明らかになる。
彼らは免疫や代謝において人間をはるかに上回る身体に体質変化していた。
若く健康な肉体を長く維持できる反面、紫外線に弱く太陽光の下では活動できないという欠点があったが、変異は進化の過渡期であると主張し自らを「ノクス」(ホモ・ノクセンシス = 夜に生きる人)と名乗るようになる。
ノクスになる方法も解明され、徐々に数を増やす彼らは弾圧されるが、変異の適性は三十歳前後で失われる為、若者の夜への移行は歯止めが効かなくなった。
次第に政治経済の中心はノクスに移り、遂には人口も逆転してしまう。
ノクスの登場から四十年、普通の人間は三割ほどになり、かつて日本と呼ばれた列島には、ノクス自治区が点在し、緩やかな連合体を築いていた。
都市に住むノクスに対し、人間は四国をあてがわれ多くが移住していたが、未だ故郷を離れず小さな集落で生活するものもいた。
かつてノクス殺傷事件を起こしたその集落(長野八区)は、隣接するノクス自治区から経済封鎖を受け続けていた。
ほとんどの者が集落を離脱し、残った住人はわずか二十数人。
その十年続いた村八分的な制裁が終わりを告げ、再びノクスとの交流が始まった_。
(サイトより抜粋)
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イキウメのことは大学の授業で物語論をとっていた時に映像として観て、舞台に行きたい!となり去年「獣の柱」(これも今サイトで無料公開してます!)を観ました。舞台観るの苦手という方はいくつかの作品が映画にもなっていて、そちらを観てみるのもありです。太陽も映画になってるみたい!
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「僕たちは太陽に背を向けてでも強くならなくては」
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舞台セットから衣装から台詞からかなり説明的で話の意図と合うように計算されて作られている。それにも関わらずバランスが取れていて嫌な感じがしないのがほんまにすごいな〜って思います。
新人類と旧人類の会話シーンがほんまに絶妙ですごい。鑑賞者は旧人類側なのですが、新人類の微妙〜に話通じん感じがめちゃくちゃイライラする…。特に私は女の人がほんまにイラ〜となりました。すげ〜ッ。
進撃の巨人のカラクリを知ってる側と知ってない側の辻褄合わない会話シーンってマジですごいと思う(エレンとユミルがライナー達に拐われて、巨大樹の森で夜を待つシーン)のですが、それに似たものを感じる。漫画と違って舞台は演出家の他役者も話の仕組みを知りながらその場に沿うような世界を作るからすごい。すごいしか言ってない。
「creepy偽りの隣人」や「散歩する侵略者」(映画しか観てない)的な、話はできるけど話はできないみたいな謎の存在みたいなのを生み出すのが上手いですね。共感が無いというだけでこれだけのストレスがあるから、いかに言葉よりイントネーションや身振り手振り、表情みたいなものに人間のコミュニケーションの本質があるかみたいな事を思ってしまう。
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“今”に関連するふたつのフィクションを並べました。
とTwitter公式が言ってましたが、正に今がタイムリーで心がウッ〜となる。元気な時に観た方がいい。
私は去年獣の柱観た時は、終末思想の事とか生死観みたいな上澄みをなんとなく舐めた感覚でしたが、今観た太陽はかなり実感を伴っていて良いのか悪いのか…になりました。SFってかなり社会派だよなと今の時勢だと思います。最悪。
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天空の城ラピュタのシータの台詞に「今は、ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの。”土に根をおろし、風とともに生きよう。種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう”。どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」っていうのがあって、それをかなり反芻する場面が多くありました。メインのテーマとしては逸れるかもですが。
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正しければ正しいだけ、人は身体感覚から離れてどこか遠くへ行ってしまうと私は思っています。そのどこかは、人を幸せにするのか私には分かりません。ただ、正しい事で今手にしている沢山のものを失ってしまうであろうという感覚をずっと持ち続け、出来たら正しくないまま生きていたいです。
演劇はそういう意味で今正しくないんだと思う。メディアを見ると多くの人がそう思っているように感じます。ただ、演劇みたいなものを全員が望まない世界では人は生きられない。そういう意味でも、私はずっと演劇が、劇場が側にあって欲しいと切に願っております。
上半期ブツ
mac リップスティック ピーチブロッサム
えっまた言うやん。去年も言ってたよね?わかる。
去年冬?かな?に買ったのですがイマイチ使いこなせなくてウーンと思ってたけどこれは春夏にしか使えないですね!可愛いわ。
薄手の白っぽいシャツにシルバーのアクセサリーとか付けた日にはもうめっちゃかわい〜。やっぱクリームカップ欲しいくなってる。
OPERA シアーリップカラー RN 104
ブラウンリップのウェーブに完全に乗り遅れたのですが、どうせ似合う色ないんやろ、茶色は似合わんと思ってふて腐れていた時に買った。私唇の色が体調でめっちゃ変わるので、その時によってブラウンに発色する時と赤っぽくなる時とあります。冬は赤になってたけど、最近また付けたらちゃんとモデルさんが付けてた色になりました。
確かに垢抜けてて、でもそんなに強くないブラウンでかわいいです。オペラのリップやわやわやん?不器用なので抉ってしまう。あとすぐ無くならん?悲しいわ。
ルミナスヘア アウトバストリートメント オイル
avexが作ったらしい。へー。
髪がやばい剛毛で爆量なんですけど、MILBONのジュレームシリーズのハートのやつで髪洗って、これ髪乾かす前に付けて乾かして、椿ヘアクリーム付けたら朝起きてもボワってならなくなりました。
ミストはサラサラ系でオイルはしっとり系みたいです。本当はサラサラがいいけど、私の髪の毛はそっち系統向いてないなと重めな感じでスタイリングしています。個人的に匂いが中性的で、でも甘くて不思議。結構好き。
PLAZAにしか売ってないのが悲しい。
DAZZSHOP スパークリングジェム 05エスケープ
誕生日に貰った!幸!クリームタイプのアイシャドウ初めてだったんですけど、ツヤツヤになるし肌馴染み良くてめっちゃ可愛い。
見た感じ結構紫だけど1度塗りなら瞼が透明になった感じになる。ベースに塗って上から色んな色を重ねて使ってます。2回塗ったら紫!という感じ。ドリライまだ?!泣
Dior スキンルージュブラッシュ 601 ホログラム
青ラメです!正月に買った。
インキャなんでDior怖くてあんまり入れんかったんですが、対応してくれたお姉さんが優しいタメ口ギャルで顔面をめちゃくちゃギラギラにされてウケました。このチークの上に金ラメのハイライト乗せるか?!こぼれ海鮮丼みたいな顔になった。めでたい。正月やからか?
発色自体はコーラルですけど気持ち程度です。なんてったってラメが可愛い。正味付けてもチーク付けたかはあんま分からんけどほんまに肌が綺麗に見える。あと付いてたブラシがマジで良い。サラッサラやわ。
えっ急に花やん。わかる。
引っ越ししてすぐ卒業したので同居人含めやれ専攻やらやれ部活やらサークルやらから花を大量に貰ったんですけど(ありがとう泣)、枯れたのを捨てていったらいけてた花瓶が不憫になって花買いました。
今コロナだから多分全然花売れてないのか近所の花屋のおじさんがめっちゃおまけしてくれて大量のスターチスをくれた。ドライフラワーにするのにいいんですって。みんな知ってたらごめん。
色んな色あって黄色とかも可愛かったよ。
すべてはモテるためである 二村ヒトシ
AV監督の著者が書いた男向けの自己啓発本。自己啓発本とか嫌いそうってよく言われるしまあその通りです。
この本はそもそも「モテる」って何?とかどうして「モテたい」のか?みたいな話から、【自分の心のふるさと】を持つことの重要性を説く、これ読んでもモテるようにはならんやろという不思議な本でした。
わかはいを好きになってから、自分のことを前よりも好きになったなって思うんですがそこらへんの気持ちの機微をうまく言語化してて確かに〜と思う部分が多くありました。所謂学者さんの書いてる本じゃないんで口語っぽくて読みやすいです。
ETVOS スターターキット
友達がいいよって言ってたから買ってみた!通販限定みたいです。
遠征用に取っておきたくてファンデと粉以外使って無いけど使いやすい〜。粉で一回死ぬほど荒れてしまってトラウマになりそこからずっとリキッド派だったんですけど軽くてハッピーですね。個人的には粉が使い勝手良くて好きです。ふつうにデカいやつも買お〜。
あとシンプルに筆の大切さを知りました。
Celvoke インフィニトリーカラー 18
今季唯一買った夏コレクションです。店員さんの激推しにより衝動買いしました。
こういう色、似合うんか?と半信半疑の気持ちだったんですがマジで使いやすい。正直タッチアップした時はささやかすぎたのか付いてるんか付いてへんのか…みたいな感じだし家帰って付けてもよく分からん…になったけどこれ付けるのと付けないのとでは垢の抜け方が全然違う。魔法か?
私の手持ちはパープルのアイシャドウが多いのですがパープルとの相性が意外とめちゃくちゃ良いです。もちろんピンキーベージュとかゴールドとも相性良い!自分の顔の感じ的に今年流行りな感じの夏になれると思ってなくてBAさんすげえになった。化粧は無限。
ちなみに同じくセルヴォークでアイブロウパウダーのパープル系の色も買いましたが留学から帰ってきたポカホンタスみたいな女の子の眉毛の色になる。(これは褒めてる)
BAさんに言われるがまま透明のマスカラで眉頭を立てるなどしてみてますが、ミステリアス黒髪女になれてるような、なれてないような?!って感じ。最近眉毛を開拓したくなっています。
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そのほかラロッシュポゼのベースやキュレルの敏感肌用ライン、ちふれのコールドクリームなど上半期は当たりが多かったような?!シンプルに正社員で富豪になったから沢山もの買ってるだけかな?
働きはじめて思ったんですけど、美大生ってもしかしてめちゃくちゃめちゃくちゃ貧乏やったんか?!今の職種お世辞にも給料が良いとは言えないんですけど馬鹿ほど金貰える感覚がありますね。貧乏4年やったおかげで基本飯は作るし飲み物は水筒だし舞台以外で財布が全く緩まねえ体になった。感謝〜。
本を読むこと 本の感想
私は昔から本を読むのが好きです。好きですって言っても読書家!というほど読むわけじゃないですが…。
「本読めない」という人よくいますが、完璧主義なんだと思う。読めます。コツってほどではないんですけど、演劇と同じくらいみんなもっと本読まないかな〜と普段から思ってるので記事にしてみました。
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本のいいところ、沢山あるんですけどやっぱり1番は「好きな時に、好きなところから読めるしやめたい時にやめれる」ってことです。最初から読まなきゃとか思わなくても、後書きから読んでも、結末から読んでも、目次の気になるタイトルの章から読んでもいい。途中で読むのをやめてもいい!すごい!そこまで私に合わせてくれるのか、お前…って感じがしませんか?
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ページがめくれるところも最高です。私は大抵縦書きの作品を読むので読んだページが右手にたまっていくんです。快感では?
装丁にめちゃ詳しいとかではないですが、本の表紙や帯、扉やしおりなども楽しい。本を集めるだけでなんか賢くなった気になれるし、読まなくても可愛いから集めようみたいなの、分かります。
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最近千野帽子さんの『物語は人生を救うのか』という本を読みました。
ーー世界を解釈し理解するためにストーリーがあった方が、人は幸福だったり、生きやすかったりします。実話とは?そして虚構とは?偶然と必然って?私たちの周りにあふれているストーリーとは何でしょう?ーー
人は現実よりフィクションに蓋然性を求めるという内容が非常に興味深かったです。
私は時折目の前で繰り広げられる紛れもない現実のワンカットが、演劇に見える瞬間があり、また演劇の中の世界が一瞬現実のそれに見える時があります。「らしさ」の境界ってどこにあるんだろうな〜ってぼんやりずっと考えていたので、それに形を与えてもらった気がします。
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アイドルやわかはいの人生ってノンフィクションかフィクションか、難しいですよね。何かを「分かる」と感じる時そこに納得できるストーリーがあるとしたら、突飛で分からない人ほど実はリアリティを感じるのかもしれないです。
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日本においては現実世界でもより整合性を人が希求しているように感じるので、より説明的なフィクションが好まれるのかもしれません。
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筑摩の本は遊び心があってよいですよ!おすすめです
最近配信等で観た映画・舞台
◎映画
「リップヴァンウィンクルの花嫁」
岩井俊二監督、リリィシュシュが結構キツくてメンタルが壊れそうになったので映画館で上映してた時は観なかったんですがすごく良かったです。綾野剛が良かった。
以下好きなセリフです。自分が若手俳優オタクであることの根元にはこういうイマドキなメンタリティがあるなあと思って聞いてました。
「わたしね コンビニとかスーパーとかで買い物してるとき、お店の人がわたしの買った物をせっせと袋に入れてくれるときにさ わたしなんかのためにその手がせっせと動いてくれてるんだよ わたしなんかのために御菓子や御惣菜なんかを袋につめてくれてるわけ それを見てると胸がギュッとして泣きたくなる わたしには幸せの限界があるの 誰よりも早く限界がくる ありんこよりも早く だってこの世界はさ幸せだらけなんだよ みんながよくしてくれるんだ 宅配便のおやじは私がここって言ったところまで運んでくれるし -こんな簡単に幸せが手に入ったらわたし壊れるから だから せめておカネ払って買うのが楽 おカネってそのためにあるんだよ 人の真心ややさしさがはっきり見えたらありがたくてありがたくて壊れちゃうよ だからそれをおカネに置き換えて 見なかったことにするんだ だからこの世界は本当はやさしいんだよ」
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「冬冬の夏休み」
台湾の映画。夏やなーってなった。私は1年の中で夏が1番苦手なんですが、夏の苦手さが全部入ってて良かったです。こういう感覚を好きな人は夏が好きなんだと思う。私に夏は強すぎます。
子どもの服とか出てくるオモチャがキッチュでかわいい。台湾って日本みたいな沖縄みたいな中国みたいな不思議かわいいセンスの街並みですね。
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「オーバーフェンス」
同じ監督の作品で、「そこのみにて光り輝く」という映画があって当時とても感銘を受けたのですが、これはそこのみ〜と似たテーマ性を残した作品でありながら今観ても昔ほど感動しなくて嫌な大人になったなって思いました。
蒼井優、人の人生をかき乱すだけかき乱して責任は取らずさっさとどこかへ行っちゃう当事者意識の無さを表現するのうますぎるっていうか、そういう役しか見たことないな。
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「新宿スワン」
荒削りな演出がそれもまたいいです。どん底血反吐路地裏喧嘩みたいなやつが心の底からヘキなので世界観も好きやし、話もすげえいい。2も観たので2の話もしますが「持ってる」白鳥の周りの「持ってない」人間達がどんどん破滅していくのが個人的にはたまらんです。「持ってる」人間とは得てして孤独なのだ。強さは孤独。
大っ嫌いなお前みたいになりたかった、と言って死ぬ人間が可愛くて大好きなので大好きですし許しとは時に裁きより残酷。
どうでもいいけど後に比嘉中になるむとけんが紫のテカテカのシャツに真っ黒のジャケットで風俗のスカウトやってる。伏線だね。
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「新宿スワン2」
完全に居酒屋で考えた馬鹿みたいなキャスティングとここぞという場面で流れるUVERworldによって祭が加速する続編。これは祭がすぎるのであまり言うことがない。リンチされて血まみれの綾野剛に平謝りするむとけんと薬漬けにされた久保田悠来が見れます。
◎舞台
「いないかもしれない」
4月に観に行くはずが中止になっちゃったので観劇三昧に加入して初演版を観ました。最近で1番泣いた。
みんな普通になりたい狂人だね。言えない気持ちを言えないまま出力するのが上手い。演劇の真髄だと思うし小劇場という場をかなり有効に、そしてクールに使ってるなと思います。
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「エリザベート」(宝塚版)
職場の宝塚に狂う先輩方から借りた。元々シルヴェスター・リーヴァイの作曲が結構好き(みんな好きよね)でずっと観たかった演目なので本当は生で観たかったんですが、帝劇が中止になったので…。
本当にいい。今年で1番です。エリザベートに関してはもう少ししっかり色々なバージョンで観て、きちんと考えてまたブログに書きたいです。
宝塚版エリザベートはキャストが代替わりしながら何回も上演されてる演目らしいんですけど、私の借りた2016年版がどこに出しても恥ずかしくない宝塚らしい。トートの人綺麗すぎて出てくるたびに笑ってしまいます。とにかく良かった。
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「はばたけ黄金の翼よ」
これも宝塚。怒涛の布教活動。
元祖「おもしれー女」って感じ。妾の子どもとして実の父親(国の王様)と1度も会った事のないヒロインとその父親を暗殺した男が政略結婚することになっちゃってーーーー?!というベタベタもベタな展開。私は勿論主役の男の腹心が好きです。まばゆい光に焼かれる男サイコー!
宝塚はアレですね。必ず最後に愛は勝つ。
人が死ぬ割とシリアスな話だったのに間髪入れず祭のショーがはじまるの、ミュージカル刀剣乱舞っぽい。余韻ゼロ!ミュージックスタート!
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「舞台 宇宙戦艦ティラミス」
配信で観ました。ずっと観たかったので嬉しかったです。
生で観たらマジですごかったのでは。色々な意味で。予算無し体当たり系の舞台、ほんまに好きなので元気出た。
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「忘れる日本人」
岩井俊二がリップヴァンウィンクルの花嫁を東日本大地震を契機に作った話と、地点の忘れる日本人はかなり繋がるような気がする。私だけかもですが。
あまり言葉にできないけど、最悪な気持ちになれます。世界が終わるときってこういう感じなんだろうなって思うし、日本人はそのうち忘れます。
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「舞台 家庭教師ヒットマンREBORN」
鹿殺しを信じろ。銀牙の時も思ったけど泥臭い少年漫画演出と相性がいい。
ありえねえなというテンポ感で考える隙を与えないし、面白いところは面白く、かっこいいところはバチっと決まっててとてもバランスの良い作品だと思う。キャスティングもバランス良いと思う。ハルちゃんかわいい〜!
雲雀の夢女だったこと思い出しました。
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他にも色々観たんですけど、少し力つきました。早く映画館なり劇場なり行きたいです。
好きな男の話 2
好きな男の話をすると、「えっ前好きだった男はイベント行くのやめたん?推し変?」みたいなことをたまに言われるけど、好きな男のこと追わなくなっても永遠に好きでいたらあかんか?いいです。
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前積極的に追っていた男は、私が舞台に行くようになるきっかけになった舞台で好きなキャラをやっていた男です。当時は今より2.5次元のこともわかはいのことも知らなかったし、男はマメにSNSを更新する人だったので「男が見たい」というよりかは「キャラクターの新規絵が見たい」的な気持ちでツイッターをフォローし、何か裏話的なことを聞きてえと思って生放送を見ていました。
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前の記事で、今追っている男のことを書きましたが今追ってる男と違って、この男は人の善性みたいなものを全く信用していないことがハッキリ分かります。人を信用していない人でないと、人に優しく出来ないんだなって思う。何をもって優しさとするかって難しいですけど「どんな年代、性別の人に対しても人当たりよく、誰も不快にさせない」ことを優しさと仮定するなら本当に優しい人間です。ドライな優しさ。東京生まれなのすげえ分かるな。
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「俺のかわりなんていくらでもいると思った」「仕事があるならなんだってやります、幸せです」「俺は運が良かっただけです」など、世界も自分も信用していない発言をよくする男です。演技や、普段話している事柄、雑誌のインタビュー(当時は雑誌をよく買いました)を見ていると、自分の表現したい世界や、自分のやりたいことみたいなものが全く見えなくて不思議でした。今大多数の人が自分に対して望む自分の姿を体現しようとするので、結局その人が何なのか分からないんです。
「自分を見てほしい」「誰かの特別になりたい」みたいな気持ちが根源にあってそれが表現活動の動機の人間、わかはい見てるとまあおるなあとは思うし、そういう気持ちがないと人の前に立つ仕事は出来ないと思う。ただ、そんな曖昧模糊でなんの保証もないもののために何でもかんでもしてよくぶっ倒れてる人間、あんまりおらん。不健康。ぶっ倒れるのは良くない。(当時は事務所がしっかりしろと思っていました)
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エリザベートを観たんですけど、エリザベート観て、今書いてる男のブログを書きたいなって思った。エリザベート観てると思い出しました、男のこと。それすら演出の術中って感じがしますが…。
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本当の彼、というものが2、3年追ってたのですが結局分からずじまいでした。そもそも本当なんて無いんですけどね、人間。私の悪い癖です。傲慢ですみません。
私が好きになった時は丁度売れはじめる直前という感じで、イベントのチケットはどんどん取りづらくなるし、生放送のコメントは荒れるし、掲示板とか嫌なアカウントとかに疎かった私の目にも入ってくるくらい界隈が荒んでいって、その空気に耐えられなくて追うのをやめてしまいました。でも今でも本人自体のことは結構好きです。
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私は負け戦はしたくない人間です。多分男も負け戦したくないタイプの人間のような気がします。勉強していい大学を出て、親の猛反対を押し切り5年だけ芸能活動やらせてくれと事務所を片っ端から受けて急にテニミュになり、急に靭帯が断裂して、テニミュの次の舞台で自分と殺陣のクライマックスをする予定の役者が降板になりひとりで殺陣をして過呼吸になり、それでも今ゴールデンタイムのテレビに出たりしてるのを見ると、勝負強いなって素直に思います。事務所辞める前の配信で、「運が良かっただけ」と言っていて、そうかもしれないけど、数を打ったから当たったんだと思います。
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等身大の雰囲気を持ちながら、象徴として生きることを是とする才能を持って生まれてきた人間だと思う。かけだしわかはい(最初に言うとそのわかはいのこと嫌いなわけではないよ)に、「ラッキーボーイ!羨ましい!」と言われていたのを見てハ?になりました、私が。舞台経験も無い、ダンスも歌も上手いわけではない、年齢が若いわけではないけど、そういう自分に誰よりも自覚的でそういう「普通」の自分が世界で「特別」になるための最短ルートを本当に最短で走った人間、羨ましいって私は言えないです。無茶やもん。ラッキーじゃない、誰よりも打算的で強かで、努力できる人間なだけやもん。などとオタク特有の最悪な母親ヅラになったりしておりました。恥ずかしいな。
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いつも人当たりのいいことしか言わんのに、他人の夢や人生に対してめっちゃ冷たいところが私は好きでした。役者になりたいっていう相談に、「年を食ってたら役者は難しい」って言うとことか、ヒモの彼氏と別れられないっていう相談に「結局自分が決めることですよね」って言うとことか、アー社会を生きてる人だな、他人のことどうでもいいんだろうなって、安心するんです。
何かで社会的に成功する人間は孤独であってほしいという貧乏人の勝手な願いを体現している。でも彼もどこか誰も知らないところで、幸せであるといいなあ。おわり。
好きな男
好きな男、めっちゃ好きって話です。いつもは頑張って他者となるたけ共有出来そうな語彙やイメージでブログを書いている(えーっ嘘)つもりなんですけど、完全にカニの食えない部分の話なので、いつも以上に無茶苦茶な内容です。夜だからね。
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そもそもコロナとか無かったらこんな内容で記事書かんと思う。好きつったかて、全部の舞台に行ってますとかじゃないし。いや、別に全部行ってなくてもええがなとは思うけど、自分の中だけの宗教観の問題です。
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一生懸命って、すごいんですよ。全力ってすごい。なんか、わたしは大学の専攻の追いコンで教授に「ろうの作品はめっちゃいいのにさ〜、ろう自身が100%の力で作ってないんだよね。そこを120%で作らないとさ〜。」と言われて、い、今更〜!(でも知ってた)となったような人間なので。何事も全力で取り組むのが苦手なんですよね。面倒くさがりというのもあるんですけど、怖いんです、得体の知れない真っ暗な穴ぼこに全力で助走つけて飛び込むのが。穴ぼこ、思ったより浅くて頭打って死ぬかもしれないし、底が無くてどこまでも落ちていっちゃうかもしれないでしょ。そんなに自分のことも世界のことも信じられるほど私は殊勝な人間じゃないです。
こないだ男が生放送で「やっぱり中途半端だとダサいから全力でやって、そしたら楽しい!ってなったんです」的なことを言ってたのですが、まじですごいと思いました。中途半端だとダサいからって人前で素っ裸で踊り狂える人間、最強すぎるやろ。
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男はイベントやバクステ映像など、舞台上以外の姿で人を居心地悪くさせる天才です。この感覚あんまり伝わらないので良かったら何かしら男の出ているDVD観てください。
これは私の解釈なんですけど、居心地悪くなっちゃうのは男のせいというより、それだけ世界や自分のこと信じられない自分のせいなんですよね。男は人間の中の善性を常に信じている(おそらく無意識的に)人間で、それは共演者だろうがオタクだろうが関係なく自分の周囲の人間全てに対して「そう」なので、私含め多くの人が男の眩しさに思わず目を背けてしまうのではと思います。
これです。(マジカルガールの最後のやつ)
俺をそんな目で見るな〜ッ のシーン。
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私は度々「他者のために生きる」ことと「自分のために生きる」ことを天秤にかけます。結局前者も自分のために生きてることに変わりはないのだけど、何か行動をする時これは他者のためなのか自分のためなのかということをよく思うのです。
表現は自分のために行う行為でありながら作品は他者に対して開かれた存在です(場合にもよる)。わかはいだけに限らず、表現者の存在は鑑賞する人、もっと言うと自分の作品、若しくは自分自身という作品にお金を払う人に大きく依存してしまう。私はアイドル業界に明るく無いし、わかはい業界についても全然詳しくないので、どういう歴史的文脈を辿って今の慣習があるのかとかはよく分からないのですが、自分の身を売るリスキーな仕事なのに、人や世界のことを信じられ続けられる性質は尊ばれるべきものだと思います。相手を信用しながらも、自分は勝手にやる、そういうバランス感覚を生まれながらに持っているのはこの世界で生きていくための何よりの武器になりうると思います。
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今話題の(?)劇作家さんの著作がすごく好きで、繰り返し読んでるんですが、その中に役者になるために必要な素質という項目があります。何かを演じる上で人間の奥底に触れる場面の多い俳優は、そうした暗い部分を洞察する力と同じに、どこか牧歌的なメンタリティを持っていないと、本当に死んでしまう。というようなことが書いてあった気がします。(今本棚を確認したけど該当項目が載ってる本が実家です)
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こだわりが強くて我が強い、テコでも動かん。でも自分が違うって思ったら翻って相手に師事を仰げる、ごめんなさいが言える。そう牡羊座。牡羊座です。
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ほんまに接触がキモくなる話を何回もして申し訳ないんですけど、中腰でカニ歩きでパーテーションに入ってきたインキャ女(最悪?)の話を何故か一緒に緊張して聞いてくれるの(もしかして引いてる?)むっちゃごめんってなるけど二部も行きます。二部もカニになった。アッ、アア!ハイ!とかしか言われたことない。みんななんか色々話してて凄い。普通になりたい。接触苦手だし無くなれ!って最近まで思ってましたが、接触の前後に1番「この男のことむっちゃ好きやん自分」ってなるしやっぱ近くで好きな男見れるの嬉しすぎるから、接触はずっとあってほしいな。
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男に出会えなかったら多分今正社員で仕事してないし、男に出会えなかったらクソ最悪な家からも出られなかったと思います。男にわざわざ言うことではないけど、男のおかげで今幸せです。
家を出るためお金を貯めよう!とはじめた派遣のバイトがかなり厳しくて、まじでよく怒られていたのですが、任期満了で辞める時に社員さんから夜メールが来て「ろうさんの素直で真摯に取り組む姿勢にいつも感激していました、分からないことをそのままにせず聞く姿勢とても素敵です。自信を持ってください」とあった時、嬉しかったです。腐った大学生活で一生懸命やれたことが出来て良かった。ありがとう男。
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会いてえ〜!男!
今度配信イベントで微積教えてくれるらしい。イベントで数学Ⅱ教えてくれるわかはいがこれまでにいましたか?なんだか感性がちょっとズレていますが、きっと色々考えた結果なのでもういいです。(激甘判定)
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日々裸で踊るわけにはいかないのですが、せめて世界と自分を信じて全力で穴ぼこに飛び込む人でありたいです。おわり。
政治
私の心に残っている舞台、いくつかあるがその中のひとつにうさぎストライプという劇団の「みんなしねばいいのに」という作品がある。ハロウィンの日を繰り返すというお話で、ハロウィンという最近入ってきた海外の文化にかこつけて騒ぎまわる人々と終末観を重ね合わせたニヒルなブラックジョークが演出のあちこちにあり、ひいては作品自体がそのような意味を含んだものになっている。数年前に、今は無きアトリエ劇研という京都の小劇場で観たのだが、入った瞬間に坂本慎太郎のナマで踊ろうがかかっていたのを今でも鮮明に覚えている。
『決してこの世は地獄 なんて 確認しちゃだめだ
もうそんなのみんな知っている
楽しい事話そう もっと お化粧した俺は
いい感じで目が死んでるね』
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政治が上手くいく事なんて果たしてあるのだろうか。
私は日本史や民俗学がちょっとだけ好きだが、革命等で政治が大きく変わって上手くいっている様子をあんまり見たことが無い。政治だけじゃなくてパラダイムシフトによって社会の価値観や生活文化が変わり、それまで辛い思いをしていた人が幸福になっても、またどこかでその割りを食う人が出てくるように考えてしまう。
人間という生きものが生まれて600万年ほど、世の中は良くなっているだろうか?私にはよく分からないのだ。
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決してリベラルな意見出しや議論をして欲しくない、という事ではない。停滞した空気は淀んでいるように、定期的に換気をして誰かが新しい風を吹かせなければならない。
ただ、(これはジェンダーを巡る議論に関しても思うことだが)既存の停滞した空気の中で息をする術をなんとか身につけ、生きている人間が、新しい風に対して消極的な態度を取る事は、前述のリベラルな意見を否定する事とイコールにはならない。加えて言うと、政治のような、立場によって様々な意見が生まれるトピックにおいて傍観という基本態度をとる事は悪ではないとわたしは思う。よく言われる事だが、傍観という「政治的態度」をとっているという当事者意識さえあれば(極端な話、後から後悔する事が無ければ無くとも良い)そういう姿勢だってデモを行う権利があるように権利として保証されている。
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「結局現状生活で困ってないから怒れないだけでしょ」その通りである。そしてはっきり言うと生活に困っていなくても政治に怒っている人ほど生活に余裕があるわけでは無い。無関心層と言われる人々はそういう人が多いのではないかと勝手に思う。
私は誰も私のことを助けてくれない、と思っているしだから私は誰のことも助けない。政治だってそうで、もしかしたら年金は取られるばかりで払われないかもしれないし、コロナがいつまでも収束せずに好きだった演劇産業が死ぬかもしれない、政治家は汚職まみれで私腹を肥やしているかもしれないけど、正直そんなのはどっちでもいい。明日も仕事があるし、今日は雨だったから洗濯物が干せないし、牛乳を切らしているのに買い忘れたし、母の日なのにまだ何もしてない。明日世界終わるかもな、岩城くんのバーイベ行きたかった、そんな感じ。
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※このブログ自体何か思想的な事を議論したいものではなく、ただ自分の気持ちを出力しただけのものである、という予防線を張った上で、自分と同じように無関心である事に罪悪感を覚える人々と自分が気を落とさないように気持ちを形に残しておきたくてブログを書いてみた。また何か心境の変化があれば書こうと思う。