無題

きっと自分のこと誰も許してはくれないから、自分で許すしか無い。自分で自分の事を許せるようになりたくて最近は生きている。家を出て、仕事をして、わたしは普通になれただろうか。誰にも後ろ指さされない生き方が出来ているだろうか。やっぱり他人が気になる。

「もっとお金があったら」「普通に兄弟を平等に愛してくれる親だったら」「芸術文化に対して理解のある家だったら」「手先が人並みに器用で他人の気持ちを自然に推し量れる子どもだったら」…。沢山のもしもが生活の色んな場面で顔を出す。多分みんなそういうものだと思うし、それでも自分は自分でしか無くて、与えられた場所で与えられた通りに生きていくしか無い。それを黙ってこなすのが「普通の大人」である。「普通の大人」になるにはまだ時間がかかる。

いつか、普通になれたなら、みんなの輪に加われたなら私はきっと与えられた現実の中に溶けて無くなってしまうだろう。そんな日を待ち望んで、今日もフィクションと寄り添いながら生きている。